こんにちは!管理栄養士のgyaoです。
皆さま、自宅でどんな油を使っていますか?
サラダ油、オリーブオイル、ごま油。
このような油を常備されている方が多いのではないでしゃうか?
モデルさんが紹介するような体にいい横文字のオイルも体に良さそうだけど、なかなかスーパーでは手に入りづらいし高い‥。
そんな風に思っている方に必見の、管理栄養士が選ぶ体にいい油をご紹介いたします。
体にいい油の条件とは?
油の選び方はいろんな方法があると思います。
風味や価格、調理への適不適などで選んで、家に数種類準備している方が多いのではないでしょうか?
管理栄養士がおすすめする油の選び方は、脂肪酸の比率です。
こちら、スーパーで買える油の成分をズラっと並べてみたものです。
油はほとんどが大さじ1=12gなので、その量で比較しています。
エネルギーはほとんどが111kcalですね。油の成分はどれもほとんどが脂質で、脂質は1g=9kcalという性質があるからです。
マーガリンやバターなどは水分や他の原材料が混ざっているのでカロリーも違ってきます。
そして、油にはビタミンやミネラルはほとんど含まれません。ひまわり油や米ぬか油にはビタミンEが比較的多く入っていますが、それ以外の栄養素はあまり期待できません。
油に含まれる脂肪酸、何をどれくらいとったらいい?
そして油選びで重要な脂肪酸の比率について。
油の主成分である脂肪酸には、飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、n-6系多価不飽和脂肪酸、n-3系多価不飽和脂肪酸の4種類があります。
それぞれ、下記のような食品に多く含まれています。
- 飽和脂肪酸: 動物性の脂肪 (肉や乳製品)
- 一価不飽和脂肪酸: ナッツ、肉類、オリーブオイル、なたね油など
- n-6系多価不飽和脂肪酸: コーン油、大豆油など
- n-3系多価不飽和脂肪酸: えごま油、アマニ油、青魚など
ひとくちに油と言っても、その中に含まれている脂肪酸の種類はさまざまなんですね。
この中で、私たち日本人に不足していると言われているのがn-3系多価不飽和脂肪酸です。
お肉は毎日食べているけど、えごま油やアマニ油、青魚を毎日食べているという方は確かに少なそうですよね。
食生活の洋風化も手伝って不足しがちな栄養素です。
脂肪酸のうち飽和脂肪酸、n-6系、n-3系脂肪酸には摂取の基準が設定されています(日本人の食事摂取基準2020年版)。
30〜49歳女性の摂取基準は下記の通り。
- 飽和脂肪酸: 7g以下
- n-6系多価不飽和脂肪酸: 8g
- n-3系多価不飽和脂肪酸: 1.6g
それに対して、実際の摂取量平均はこんな感じ。(30〜49歳女性)
- 飽和脂肪酸: 14.4g
- n-6系多価不飽和脂肪酸: 8.57g
- n-3系多価不飽和脂肪酸: 1.59g
飽和脂肪酸は大幅にとりすぎていて、n-6系脂肪酸は充足、n-3系脂肪酸はちょっと足りない感じ。
ただ、魚を食べる習慣がない方ではn-3系脂肪酸はもっと不足している場合が多いです。
飽和脂肪酸は悪玉コレステロールを増やすなどあまり積極的にはとりたくない油。でも美味しいものにたくさん入っているので、日常生活でとうしても取りすぎてしまうんですね。
n-3系脂肪酸は悪玉コレステロールを減らすなどの効果が示されています。
すなわち、意識しなくてもとれちゃう油(飽和脂肪酸)を減らし、意識しなきゃとれない油(n-3系多価不飽和脂肪酸)を増やす!ということが油選びで重要と言えます。
油にはどんな種類がある?
油にはたくさんの種類があります。まずは一般的なオイルからご紹介。
- サラダ油: おもに大豆油と菜種油のブレンドした商品を指すようです。
- ごま油: 白ごまを焙煎して油を絞ったもの。料理に独特の風味がつく。
- オリーブ油: オリーブの果実から得られる油。エキストラバージン、バージン、ピュアと分けられる。
また、以下のオイルは好みに合わせてお使いのおうちも多いかもしれません。
- なたね油: アブラナからとれる油。独特の風味がある。
- ひまわり油: ひまわりの種子からとれる油。高オレイン酸やオレインリッチ(一価不飽和脂肪酸)と表記の商品も多い。
- とうもろこし油: とうもろこしの胚芽からとれる油。揚げ物などに向く。
- 大豆油: 大豆油からとれる油。単体ではなじみがないが、サラダ油の原料として日本で広く使われる油。
- 米ぬか油: 米ぬかを絞って作られる油。サラッとしてクセがなく揚げ物にも合う。
- パーム油: アブラヤシの果実から得られる油。飽和脂肪酸が多く、加工すると固体にもなる珍しい油。
そして、近年の健康志向で急激に注目を集めている油がこちら。
- えごま油: しそ油とも呼ばれ、匂いなどが少なくサラッとした油です。
- アマニ油: アマという植物から得られます。さっぱりとした味わい。
どちらも酸化しやすいため少量ボトルで売られていることが多いです。他の油に比べて高価な商品が多いです。
管理栄養士がおすすめする油の種類
生食用: アマニ油・エゴマ油
まず取り入れたいのは、アマニ油やえごま油。
理由としては、不足しがちなn-3系多価不飽和脂肪酸が多く含まれているからです。
使い方としては、酸化しやすい性質から加熱調理には向きません。そのため、生食用のドレッシングなどに使用するのがおすすめです!
アマニ油とえごま油、お好みの方を選んでOKです。
加熱・生食用: オリーブオイル
ボスコ エキストラバージンオリーブオイル(684g)【日清オイリオ】
オリーブオイルの脂肪酸で最も多くを占めるのはオレイン酸という一価不飽和脂肪酸です。
飽和脂肪酸を減らして一価不飽和脂肪酸を増やすことで生活習慣病の予防につながるとも言われています。
健康食のイメージが強い地中海料理に使われているのも納得です。
ポリフェノールなどの体に嬉しい抗酸化物質も多く含むので、世界中で美容と健康のために愛用されています。
加工によって栄養が失われていないエキストラバージンオリーブオイルが好ましいです。
加熱用: なたね油・米油
アマニ油やえごま油は生食用、オリーブオイルは独特の風味があるので、和食やふだんの加熱用には何を使ったらいいの?とお思いの方もいるかもしれません。
残念ながら、積極的にとりたいn-3系脂肪酸などは加熱に弱いです。
こういった加熱に弱い油を加熱してしまうと、油が変質してしまいよくありません。
そこで加熱用の油として選びたいのが高オレイン酸の油です。一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸は加熱に強く、酸化しにくいという性質を持つのです。
オレイン酸を多く含むなたね油や、なたね油の特有の風味が苦手な方にはこめ油もおすすめです。
最近は、「高オレイン酸」「オレインリッチ」と表記されたオレイン酸の多い油も登場しています。
用途に合わせて油を選んで!
以上、管理栄養士が選ぶ油についてお話いたしました。
大事なのは、用途に合わせて油を使い分けること。
調理法によって適する油を選んでくださいね。
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